日焼け止め③

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光老化の原因は紫外線!?そのメカニズムと対策を紹介

最近では「光老化」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
強い日差しを浴びると肌が黒く変色し、シミやシワの原因になるというのをご存知の方も多いのではないでしょうか。
今回は、肌に関する文献を参考にしながら、紫外線によって光老化が進行するメカニズムとその対策方法を紹介します。

 

光老化とは

皮膚は人体の最外層に位置し、外界からの刺激から体を守る役割を持っています。
それ故に、常に外界からの刺激にさらされており、特に太陽光を浴び続けることで、シミやシワが増加する現象のことを「光老化」と呼びます。
太陽光の中でも特に、紫外線がシミやシワを引き起こすことが分かっています(1)

 

光老化の原因とは

紫外線をさらに細かく分けると、波長の長さによってUVA/UVBという2種類に分けられ、それぞれ肌への影響が異なります。
UVAの方が波長が長く、エネルギー量は小さいものの、皮膚の奥深くまで浸透してダメージを与えます。
表皮の基底層に位置する色素細胞(メラノサイト)を刺激して、黒く変色したメラニン顆粒の産生を促す事がわかっています。
このため、シミやしわの原因にもなりますし、肌の奥深く真皮層まで到達することで、たるみなどの原因にもなります。
日焼けした時にあまり赤くはならないが、すぐに色が黒くなるという人はこのUVAの影響を受けやすい人と言えるため注意が必要です。

 

一方で、UVBは波長が短く、エネルギー量が高いため、肌の表皮(表層に近い範囲)でより強い反応を引き起こします。
「サンバーン」と呼ばれる赤みの発生や水膨れを引き起こし、これらがUVA同等に表皮へのより強いダメージを引き起こします。
そのため、UVAと比べ、より強くシミやしわを引き起こす原因となります。

 

■光老化の対策とは

光老化を防ぐためには紫外線を徹底的に防ぐ必要があります。
老化は紫外線 を浴びると直ちに発生するものではなく,長 年の 紫外線ダメージが蓄積され,一 定以上に達すると生じると言われています。

人は生まれてから18歳 までの間に,人 生で浴びる紫外線量の半分以上を浴びてしまう」と言われています(1)

すなわち、子供の時から紫外線対策をしっかりと行っていれば、将来的に皮膚の老化を遅らせて、長く健康で美しい肌を保つことが出来ます。
「紫外線防御こそがアンチエイジングの基本 」と言われるのはこのためです。

具体的な紫外線対策としては、

  • 日傘・帽子の利用
  •  日中の外出を避ける
  • 日焼け止めの使用

これらの対策が挙げられます。
この中でも最もお手軽かつ有効な手段が、日焼け止めの使用です。
最近の日焼け止めは、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤の研究が進み、日焼けの後に赤くなるのを防ぐSPF値(Sun Protection Factor)や、黒くなるのを防ぐPA値(protection grade ofUVA)が高い製品が増えています。
ただし、これらの紫外線カット性が高い日焼け止めは,含有成分が皮膚に与える負担も大きくなり,ニキビやかぶれの原因となる可能性があります。
敏感肌や子供には刺激が強すぎる場合があり、そのような時は紫外線吸収剤不使用の肌に優しいタイプの日焼け止めの使用がおすすめです。
敏感肌用の日焼け止めについては「【敏感肌でも安心】メンズにおすすめの日焼け止め10選」の記事で紹介しているので参考にしてみて下さい。

 

■シミの原因

紫外線を受けることでしみが発生する原因としては、以下の2つが提唱されています(1)

  1. 色素細胞が刺激されて活性化する〈直接的な経路〉
  2. 表皮細胞が紫外線のダメージを受け,エンドセリン-1と呼ばれるタンパク物質が放出され、その結果チロシナーゼと呼ばれるメラニン顆粒の酸性に関わる酵素を活性化する 〈間接的な経路 〉

 

この他に他にも加齢に伴うターンオーバーの低下により、シミが発生した色素細胞がいつまでも表皮内に残留することもシミの一因となっています。

 

■シミの対策

シミの対策については、先ほどの日焼け止めの使用以外にも、「美白剤」の使用が有効です。
ここでいう美白剤とはアスコルビン酸(ビタミンC)のことです。

アスコルビン酸はメラニン顆粒産生に関わるチロシナーゼという酵素の働きを阻害することが知られており(1)、また、できてしまったメラニンを淡色化する抗酸化力も持っています。

そのため、予防という観点に限らず、すでにシミが発生してしまった箇所においても、アスコルビン酸(ビタミンC)を塗布したり、またはアスコルビン酸を経口摂取することが非常に有効である。
実際に、アスコルビン酸を多く含むアセロラ飲料を2週間服用することで、シミの状態が改善したという報告(2)もされており、直接塗布に限らず経口接種も有効な手段の一つです。

 

<まとめ>

今回は「光老化」について紹介しました。
いつまでも若々しく美しい肌でいたいというのは誰しもが思うことだと思います。
紫外線ケアをしっかりと行い、少しでも健康な肌を保つお役に立てれば幸いです。

 

参考文献
(1) 皮膚科医が考えるアンチエイジング https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjmj/52/3/52_429/_pdf
(2) アセロラ果汁飲料摂取による肌状態の改善効果 https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/55/1/55_1_6/_pdf

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