最近ではランニングを楽しむ方も増えてきており、仕事や学校に行く前の早朝に走る方も多くなってきています。
早朝の練習は「朝練」などと呼ばれ、トレーニングに効果的ということを聞いた事がある人も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな朝練の効果について紹介していきます。
朝練とは
朝練習でのトレーニングはトップランナーではほとんどの人が取り入れているほど広く普及しています。
夕方の本練習のみの場合と比べて、1日の走行距離を稼ぐ事ができるため多く取り入れられています。
また、朝練習のトレーニング効果についても研究がされてきています(1)。
一言で「朝練習」と言っても、実施する時間帯や内容は様々だと思います。
そこで今回は、朝練習の範囲を「起床してから朝食前の時間帯に行われる、主にランニングを主体としたトレーニング(筋力トレーニング、動きづくり、心身の覚醒のための軽運動は含まない)」と定義して紹介していきます。
朝練習のメリット
まず、朝練習を取り入れるメリットについて紹介していきます。
朝練習は、1日の走行距離を稼ぐ以外にも、練習効果をUPする嬉しいメリットがあります。
中長距離・マラソンなどの持久的種目では、体内のグリコーゲン貯蔵量が多い方が発揮するパフォーマンスが高くなることが知られています(2)。
そのため、これまでは代謝が高まってグリコーゲン量が多い状態でトレーニングを行った方が良いと言われていました。
しかし、近年では早朝のグリコーゲン量が少ない時に練習をすることで、脂肪をエネルギーとして分解しやすくなることが分かってきました。
実際の研究で、”50% VO2maxで60分間の自転車運動”を、朝食前または朝食後に行った場合を比較し、1日にエネルギーとして利用される脂肪量を比較しました。
その結果、朝食前に 運動を行った方が朝食後に運動を行うよりも1日 の脂肪の利用量が20%近くも多いことを明らかにしました(図1)。
中長距離・マラソン選手は余分な体脂肪を減らすことがパフォーマンス向上に繋がるため、トレーニングの目的が体脂肪の減少である場合は朝練習が有効である可能性が示されました。
また、これはアスリートに限らず、市民ランナーやダイエットをしたい方にとっても同じ効果が期待できることを意味しています。
体脂肪を効率良く燃焼したいと考えている方にとっても朝練習は非常に効率的な方法と言うことができます。
朝練習をより効果的に行うために
これまでに述べたように、グリコーゲン量が少ない早朝に走ることで体脂肪の分解が促されることを紹介しました。
続いては、朝練習で失われた栄養を素早く補給する重要性について紹介します。
空腹状態の運動では、筋肉のタンパク質が分解されてエネルギーとして使われることがが指摘されています(1)。
一方で、先ほど紹介した実験(3)では、運動実施が空腹状態でも食事後でも、筋肉の分解については差がないことが指摘されています。
そのため、空腹状態の運動は一時的に筋肉のタンパク質分解を促進する可能性があるものの、食事による補給が十分であればその心配はないと解釈しています(1)。
いずれにしても運動後の食事は日々のトレーニン グを効果的にするための大事な要素であり、特に 朝練習後の朝食については炭水化物の補給と同時 にタンパク質の回復という観点からも重要な意味 を持つことになります。
食事について興味深いこととして、炭水化物と タンパク質を同時に摂取した方がタンパク質を 単独で摂取するよりもタンパク質の合成がより促進されることが分かってきています。
77% VO2max強度で90分間運 動を行った後、タンパク質だけを摂取した条件と 炭水化物を付加した条件で、筋原線維およびミトコンドリアのタンパク質合成を比較した時に、タンパク質と炭水化物を一緒に取ることの有効性が確認されています。
■朝練習と一緒に炭水化物とタンパク質の摂取を
ここまで述べてきたように、朝練習では脂肪燃焼効果が高く、練習後に十分な栄養補給(タンパク質と炭水化物)を行うことで練習効果が高まることを紹介しました。
朝練習の後には、白ごはん付きの朝ご飯に卵焼きなどをつけて、炭水化物とタンパク質をバランスよく摂取するようにしましょう。
この他にも足りない栄養を補うのにはプロテインをセットで飲むこともおすすめです。
プロテインの摂取については「ランナーにおすすめのプロテイン15選」でも紹介していますので参考にしてください。
特におすすめプロテインを一つ紹介しておきます。
■ザバス アスリート ホエイメント(ZAVAS)
長時間ハードに動き続けたいアスリート向けに開発されたまさしく長距離ランナーの決定版のアイテムです。
タンパク質としては「ホエイプロテイン」を100%配合しており、その他10種のビタミンと4種のミネラルを配合しています。
長距離ランナーが陥りやすい貧血対策として、ビタミンCと鉄分が他のアイテムに比べ多く配合されています。
さっぱりとしたバニラ味で水でも美味しく飲むことができますし、牛乳に溶かすことでさらに美味しく頂くことができます。
参考価格:6,200円/個(メーカー小売価格)
内容量:945 g
エネルギー:76 kcal
タンパク質:15.0 g
脂質:0.7 g
炭水化物:2.3 g
*この他、亜鉛・カルシウム・鉄・マグネシウム・ナイアシン・パントテン酸・ビタミンA/B1/B2/B6/B12/C/D/E を主成分として含む
<まとめ>
今回は朝練習について紹介しました。
競技力の向上のみでなく、高い脂肪燃焼効果と多くの方に嬉しい効果もあるので、ぜひ試しにやってみてはいかがでしょうか。
参考文献
(1)朝練習のトレーニング効果 https://e-running.net/files/161202position_stand.pdf
(2)Hulston ら 2010
(3)Shimadaら(2013)