昨今のランニングブームでマラソンに興味を持った方や、大学生・社会人になるときを転機としてフルマラソンに挑戦してみたい!という方も多いと思います。
ただし、初めてフルマラソンに挑戦する方の多くが、
「週にどのぐらい練習すればいいの?」
「どういうフォームがフルマラソンにはいいの?」
などといった疑問を持っていると思います。
「走る」という動きはすごく簡単に見えますが、実はすごく奥の深く、練習法や走り方で効率が変わってきます。
私自身も中学から社会時に至るまで17年間陸上を続けており、様々な練習を試してきました。
その中でおすすめしたい、初心者の方におすすめの練習メニューや準備物などを紹介して行きます。
練習を始める前に準備すべきもの
まず、練習を始める前に最低限準備すべきものを紹介して行きます。
これから紹介するものを準備しないと脚を故障したり、体調を崩したりする原因にもなりますので気を付けましょう。
ランニングシューズ
まず1番に準備してい頂きたいのが、ランニングシューズです。
スポーツショップに行くと様々なランニングシューズがありますが、初心者の方が買うべきなのはクッション性に優れたランニングシューズです。
練習をしっかりと積んで脚の筋肉が付いて体重が落ちてくるまでは、アスリート向けの薄く・軽いランニングシューズでは足首や膝への負担が大きくなってしまい故障の原因となります。
また、多くの市民ランナーの方は、コンクリートの上で練習をすると思います。
コンクリートは土のグランドや陸上のトラックと比べて路面が固く、足へのダメージが大きくなってしまいます。
そのため、コンクリートの上で練習をするという方もクッション性のあるランニングシューズは必須です。
(*可能であれば土やゴム舗装されたランニングコースのある公園での練習をおすすめします)
おすすめは以下の記事で初心者向けの厚底シューズも紹介していますので参考にしてみて下さい。
ランニング用ウエア
ランニングシューズを購入したら、次はランニング用のウエアも準備しましょう。
基本的にはお好みのウエアが良いと思いますが、夏場と冬場でウエアを使い分けるように気を付けましょう。
夏場の練習では発汗性に優れた半袖+ハーフパンツというスタイルがおすすめです。
冬場の練習ではウインドブレーカーや手袋をつけるなどして寒さ対策をしっかり行いましょう
フルマラソンのレースとなると、冬場のレースを走ることが多いと思います。
フルマラソンでおすすめの恰好は、半袖+ナイロンパーカーなど薄手の上着を羽織ましょう。
始めのうち順調に走れているうちは体温も上がって暑いぐらいに感じるかもしれません。しかし、後半脚が止まってくると、立ち止まったり歩いたりして休憩をすることがあります。
このときに薄すぎる服装で走っていると非常に寒いだけでなく、「低体温症」になるリスクもあるのでおすすめしません。
最近ではオシャレなナイロンパーカも多く売られているのでこの機会に購入してみてはいかがでしょうか。
練習について
練習のための準備が出来たら、次はレース本番に向けて練習をしていきましょう。
マラソンに向けた練習の中には、主に以下の様な練習があります。
②:LSD
③:ペース走
④:インターバル
⑤:レペティション
この中で、フルマラソンの完走に向けては①:jogを中心に②:LSDまで練習しましょう。
<練習①:ジョグ>
まずはジョグについて説明して行きます。
練習始めの段階では、ジョグで20分~30分程度の練習から始めましょう。
ジョグでは基本的に息が上がらない程度のペースで走ることを心がけましょう。
息が上がらないペースでもキツイと感じる方は、5分ジョグをした後に5分ウォークを取り入れるなど、ジョグとウォークを交互に取り入れてみましょう。
そして徐々にジョグの割合を増やしていき、最終的にはジョグで完走することを目指しましょう。
60分間ジョグが継続してできるようになれば上出来です。次のステップへ進みましょう。
<練習の頻度について>
1週間の練習メニューにおいて、極端な例で紹介します。
メニュー①:日曜日だけ120分練習(6分/km)
メニュー②:平日毎日20分(6分/km)
この2つのパターンですとメニュー②の方が練習の効率が高いです。
せっかく練習をしても1週間も間隔を開けてしまうと体が走るという感覚を忘れてしまい、練習の効果も低くなります。
仕事で忙しい方もいると思いますが、最低でも平日1回、休日1回の1週間に2回はランニングすることをおすすめします。
<練習②:LSD>
LSD(ロング スロー ディスタンス)とはゆっくり、長く走ることを目的とした練習です。
ペースは先ほどのジョグと同様かやや早いペースで、こちらも呼吸が苦しくならないペースを心がけましょう。
目標はLSD1回で90~120分程走ります。
長く走ることに体を慣らしつつ、体や脚を絞りながらしっかりと距離を稼ぐことが出来ます。
体を絞ることで走りも軽くなり、足首や膝の故障のリスクも低減してくるのでおすすめです。その他にも専門的な話をすると、毛細血管が拡張して酸素の運搬能力が向上したりといった効果も見込めます。
<練習の頻度について>
基本的な練習は先ほどのジョグを中心にしましょう。
休日など時間に余裕があるときに、週に1回程度LSDをメニューに加えるのが良いでしょう。
<次のステップに進みたい方には>
フルマラソンの完走に加えて、目標とするタイムが明確になってきた場合は次のステップでペース走を取り入れるのがおすすめです。
ペース走はフルマラソンの目標ペースと同じ程度か、若干早い設定タイムで走ります。
レース本番で走るペース走を体に覚えさせます。
初めてのフルマラソンでありがちなのが、レース当日ということでアドレナリンが出て普段の練習ペースよりも早いペースで走っているにも関わらず、体は軽く感じてしまうことがあります。
この場合、レースの後半になってペースががくんと落ちてしまい、非常に苦しいレースになってしまいます。
そうならないために、体にレース本番のペースを馴染ませておくことが非常に大切です。
また、ペース走の練習が終わったら、流し(ウインドスプリント)と言って150m~200mぐらいの距離を気持ちよく走るペースでスピードを上げて3本程度走りましょう。
<練習の効率を上げるために>
ここまで紹介してきた練習の効率をさらに高めるにための方法も紹介しておきます。
練習をすることは筋繊維を傷つけることでもあり、その傷付いた筋繊維が修復されるときに元々よりも少しだけ強く修復されることを繰り返して徐々にパフォーマンスが上がっていきます。
そのため、この「筋繊維の修復」を促してやることが非常に大切です。
そのためには、練習後30分以内にプロテインを摂取するのがおすすめです。
プロテインはタンパク質を主原料としており、このタンパク質が筋繊維の修復に役立つ成分のため、回復を促し、より強い筋肉にしてくれます。
おすすめのプロテインについては以下の記事でも紹介しているので是非参考にしてみて下さい。
レース当日の心得
いよいよレース当日。ここまで練習出来ていれば、自信を持って本番を迎えましょう。
レース本番で最も心がけることは「オーバーペース」にならないことです。スタート直後は独特の雰囲気と高揚感からついついペースを上げてしまいがちです。
いくら前半余裕があるからと言って、設定ペースを大きく上回ってしますと必ずと言っていいほど後半に失速します。
自分の決めた目標タイムから、1キロごとのラップを計算し、そのペースを守るようにしましょう。
<エネルギー源の補給も忘れずに>
また、体重60 kgの人がマラソンを1回走ると、2,800 kcalほどカロリーを消費すると言われています。 これは、成人の一日の消費カロリーを上回ってくるので、レース中にエネルギーを補給しないと体内のエネルギーが枯渇します。
そのため、濃縮タイプの小さなウイダー等をポシェットに忍ばせて定期的にカロリー摂取を行うことがおすすめです。
<まとめ>
最後に、出場選手それぞれの想いをもってスタートしますが、ゴールした時の達成感はだれしもが同じ喜びを噛みしめると思います。
少しでも興味をお持ちの方は是非挑戦して、あの達成感を味わっていただきたいです。