最近ではランニングが広まってきて、多くの市民ランナーが河川敷や公道を走る姿を見るようになりました。
いつも明るい時間にランニングできればいいですが、仕事や家事などでなかなかそうはいかない人も多いと思います。
また、日焼けや暑さを防ぐために、日中のランニングを避ける方もいると思います。
そのような方に向けて、暗い夜でも安心して走れるおすすめのランニング用ライトを紹介していきます。
ライトの必要性
街中や街灯のある明るい場所をランニングする場合はいいですが、少し脇道に入ったり河川敷などでは暗くて走りにくい経験をした方も多いのではないでしょうか。
また、他のランナーや通行人と接触しそうになってヒヤリハットな経験をしたことがある方もいると思います。
夜の暗い場所では視界が著しく狭くなってしまうため、安心して走れるようにライトを使うことがおすすめです。
1ルーメン(lm)は「すべての方向に対して1カンデラの光度を持つ標準の点光源が1ステラジアンの立体角内に放出する光束」と定義されており、ランニングでは100~200ルーメンほどの明るさがあると安心かと思います。
そのほかにランニングライトの主なメリットを以下の通りです。
■怪我のリスク低減
ロード上には細かい凹凸、路側帯、小さな岩などの障害物が転がっている事があり、それらに脚をつまづいて転倒したり、足を捻挫したりするリスクがあります。
ライトで照らしながら足元を確認することで怪我のリスクを低減する事ができます。
足元を照らすのには、ヘッドライトや手に持つタイプのライトがおすすめです。
■事故のリスクの低減
自分自身での怪我の他に、対向車や通行人との接触などによる事故のリスクも高いです。
自分が気付いていたとしても、相手からは認識されておらず接触してしまう事があります。
このような事故を下げる目的には、視認性に優れるライトの着用や、先ほどのヘッドライト/手に持つタイプのライトを相手に向ける事が効果があります。
■心理的な安心感UP
ここまで説明したようにライトを使うことで怪我や事故のリスクを下げる事ができます。
そのため、心理的に安心して走る事ができ、ペースを上げることが出来やすかったり、走りのバランスが崩れたりしないというメリットがあります。
今回紹介したランニング用ライトを使うメリットを以下にまとめます。
・足元を照らすことで捻挫などの怪我のリスクを低減する
・通行人や対向車に対して自分の存在を知らせて事故のリスクを下げる
・心理的安心感から安定したペースで走ることができる
その他ライトの種類ごとにそれぞれの特徴を以下の一覧にまとめます。
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ライトの種類 | キャップライト/ヘッドライト | 手に持つタイプ | 体に付けるタイプ | 反射板 |
足元の照しやすさ | ◎ | ◎ | △ | × |
相手からの視認性 | ○ | ○ | ◎ | ○ |
ランニングのしやすさ | ◎ (両手フリーかつ軽量) |
○ (軽量だが手が塞がる) |
○ (装着感が若干気になる) |
◎ (両手フリーで気にならない) |
手軽さ | ◎ | ◎ | ○ (装着の必要あり) |
◎ (バッテリー不要) |
その他 | トレイルランで必須の場合あり | 日常使い可能 | 充電不要のタイプあり | 充電不要、安価 |
おすすめの方 | 足元の視認性を高めたい方 ペースを上げて走りたい方 レースでも使いたい方 |
足元の視認性を高めたい方 ランニング以外でも使う場面がある方 |
相手からの視認性を高め、 事故のリスクを減らしたい方 |
まずはお試しで付けたい方 |
自分のため以外にも、対向車や通行人のためにも、暗いところをランニングする時にはライトを付けて走るのがおすすめです。
おすすめのランニングライト
ランニングライトには手に持つタイプから体に装着するタイプまで多くの種類があります。
自分のランニングスタイルや好みに合ったアイテムを選ぶようにしましょう。
ここではライトの種類ごとにおすすめのアイテムを紹介していきます。
最後に一覧表にまとめるので気になるアイテムはチェックしてみて下さい。
(※ランキングではないので、自分の好みにあったライトを選ぶようにして下さい)
※まとめ一覧は横スクロール可能
■キャップタイプ or ヘッドライト
まずはキャップタイプとヘッドライトを紹介します。
キャップタイプとは帽子のツバの部分に取り付けるライトのことです。
いずれのタイプも前方の視認性に優れており、足元を照らしたり、対向車線に自分の存在を知らせることなどに向いています。
両手がフリーな状態でランニングに集中できるのもおすすめポイントです。
自分の顔(視界)の向きと同じ方向を照らしてくれるので、ランニングに一番おすすめのタイプです。
夜間を通して走るトレイルランニングなどではヘッドライトの装着が必須になっているレースもあります。
ヘッドライトを頭に巻くのは少し気になるという方は、キャップタイプの方が帽子に手軽に付けれるのでおすすめです。
HC-332B (GENTOS)
日本トップシェアを誇るLEDメーカーの「GENTOS」が販売しているキャップ用ライトです。
本体重量は26.5 gと軽く、大きさも幅64.0mm、厚みが12.5mmと小さいため、キャップの装着感を維持しつつランニングに集中することができます。
ライトは白色光と赤色光の2種類あり、明るさは20ルーメンと少し控え目ですが、ボタン電池で25時間の連続点灯が可能な仕様です。
人混みなど、白色光では明る過ぎる場面で赤色光をサブとして点灯することがおすすめです。
クリップが可動式になっており、好みの角度に調整が可能です。
参考価格:1,298 円(*参考価格)
明るさ:20ルーメン
本体重量:26.5 g
大きさ:W64.0×H44.0×D12.5 mm
連続点灯時間:25時間
その他:ボタン電池交換式
公式HP:GENTOS HP
キャップライト(BLUCKEUBE)
こちらもキャップのつばにクリップで装着するタイプのライトです。
本体重量が25gと非常に軽く、付けている感じが気になりません。
明るさは強/弱の2段階調整可能であり、防滴機能付きで雨の日のランニングでも安心です。
こちらのアイテムもクリップが可動式になっており、角度が調整可能です。
参考価格:1,800 円(*参考価格)
本体重量:25 g
連続点灯時間:29時間
その他:マイクロUSB充電式
CP-260RWG (GENTOS)
GENTOSから発売されているヘッドライトを紹介します。
本体の重量が50 gと非常に軽く、頭にしっかりと固定できるので走りの邪魔をしません。
260ルーメンと十分な明るさで前方の視認性が飛躍的に向上します。
また、ヘッドの先端が90°回転するようになっているので、少し前方を照らす場合と足元を照らす場合で使い分けが可能です。
USBによる充電が可能であり、電池交換も不要となっています。
E01R(Ledlenser)
続いて紹介するのがLedlenserのヘッドライトです。
トレイルラン用のヘッドライトを多く手がけており、装着感の良さには定評があります。
今回はその中でも最軽量モデルのNE01Rを紹介します。
明るさは250ルーメンと申し分なく、本体重量はわずか39gしかありません。
参考価格:4,850 円(*参考価格)
明るさ:250,150,20ルーメン(切り替え可能)
本体重量:39.0 g
連続点灯時間:一番暗いローモードで15時間
その他:充電式
公式HP:Ledlenser HP
MS-A6(Milestone)
Milestoneは日本発のヘッドライトです。
カラーバリエーションもありデザイン性もこだわりたい人におすすめです。
明るさは2段階調整可能であり、通常200ルーメンで照射距離が70mほどとなっています。
エコノミーモードにすることで消費電力を抑え、60ルーメンでも使用可能です。
防水機能付きで雨の日のランニングでも使用可能であり、色もクールとウォームの2タイプ用意されています。
参考価格:3,400 円(*メーカー価格)
明るさ:200,60ルーメン(切り替え可能)
本体重量:26g(電池,ベルト除く)
連続点灯時間:16時間(エコノミーモード)
その他:耐水性あり、単3電池1本
公式HP:Milestone HP
■ハンドライト
続いて紹介するのが懐中電灯のように手に持つタイプです。
自分の照らしたい箇所を照らす事ができ、相手にも自分の存在を知らせやすいので一番安全性の高いライトタイプだと言えます。
目線より下の位置からライトを照らすことで石や段差などの陰影が分かりやすいメリットもあります。
特にコンクリートで舗装されていない不整地を走る際にはハンドライトがおすすめです。
P3 Core(Ledlenser)
キーサイズの小型ボディながら驚くほど高いパフォーマンスを発揮します。
明るさはパワーモードで90ルーメンほどあり十分な明るさです。
単四電池一本で点灯可能というのも手軽で嬉しいポイントです。
参考価格:1,980 円(*メーカー価格)
明るさ:90,50,10ルーメン(切り替え可能)
本体重量:42.0 g
連続点灯時間:パワー:3時間/ミドル:4時間/ロー:6時間
その他:単四電池1本交換式
公式HP:Ledlenser HP
OLIGHT
わずか22gながら非常に明るく足元をしっかり照らす事ができます。
USB-Cポートの充電に対応しており、電池交換不要です。
非常に小型なので、不要な箇所ではポケットに入れておくことも可能です。
防水タイプのため、雨の日のランニングにも対応しています。
参考価格:2,500 円
明るさ:180ルーメン
重量:22g
その他機能:防水
■タスキがけや腰に巻くタイプ
走る時にキャップは被らず、手に持って走りたくない人もいると思います。そのような方にはタスキがけや腰に巻くタイプがおすすめです。
体に装着して走るので、両手がフリーな状態で走る邪魔にならず、ランニングに集中する事ができます。
色々な方角に光が届くので、相手からの視認性が高いのも特徴です。
足元を照らすことよりも、相手に自分の存在を知らせることが目的の人はこちらのタイプを使うようにしましょう。
OnePro ランニング ライト Led ベルト
主にタスキがけで使用しつつも、腰やリュックなどに巻いて使ったりできるタイプのライトです。
USBのCポート対応で充電式のため、電池の交換が不要なのも嬉しいポイントです。
1回の充電で3時間弱の時間持ちますので、走る前に充電しておけば途中で消える心配はありません。
通常の反射タスキの10倍の明るさで、200m先からでも視認可能です。
重さもわずか60gなので、走行性を妨げることなくランニングに集中できます。
参考価格:1,780 円
重量:60 g
明るさ:200m先からでも視認可能
その他機能:洗濯可能
MS-i1 + RUSH Light (Milestone)
続いて紹介するのがMilestoneから発売されているウエストポーチにつけるタイプのランニングライトです。
明るさが1,000ルーメンと非常に明るく、照射距離が150mもあります。
そのため、街中や整備された歩道しかランニングしないという人にはオーバースペックですが、夜に不整地を走る可能性がある人やトレイルランの大会を目指している人などにはおすすめです。
バッテリーについては専用のリチウムイオン電池が付属しており、充電式のタイプとなっています。
参考価格:12,980 円(メーカー価格)
明るさ:1,000ルーメン(非常に明るい)
勝者距離:150m
その他機能:専用リチウムイオン電池による充電式
公式HP:Milestone HP
■アームバンドタイプ
腕に巻きつけるタイプのランニングライトです。
自分の足元を照らすというよりも、相手からの視認性に優れるライトであり、通行人や対向車に自分の存在を知らせたい時に使うといいでしょう。
両手がフリーな状態で走りの邪魔にもなりにくいので、地面の舗装がしっかり整っておりスピードを出した練習時に、相手に自分の存在を知らせたい時などにおすすめです。
ランニング ライト(Unique Sprit)
LEDライト搭載で相手からの視認性に優れたライトで、200m先からでも視認可能です。
USBのCポートで充電可能であり電池交換の心配もありません。
1回の充電で約2時間の連続運転が可能です。
参考価格: 980円
明るさ:200m先からでも視認可能
その他機能:防水
LEDセーフティバンド(GENTOS)
続いても腕につけるタイプのランニングライトです。
LEDライトが明るいですが、足元を照らすというよりも自分の存在を周りに知らせる目的で使うようにしましょう。
点滅機能付きなので、LEDライトを点灯させることでより視認されやすくすることも可能です。
参考価格:1,700 円(*参考価格)
本体重量:35 g
電池:リチウムボタン電池2個
■チェストタイプ
チェストタイプは胸につけるタイプのライトです。
しっかり体に固定されるため揺れが小さく、前方の視認性に優れているのが特徴です。
チェストライト(Rr’epp)
伸縮性と弾力性に優れたベルトで体にしっかりとライトを固定する事ができ、走っている時の揺れが気になりにくい仕様になっています。
ライトの照射角度も変えられるので、足元をしっかりと照らす事ができます。
参考価格:2,280 円(参考価格)
本体重量:160g
連続点灯時間:4~8時間
電池:USB充電式
その他:防滴機能付き
■その他のライト
クリップライト(パナソニック)
クリップで簡単に好きな場所に取り付ける事ができるライトです。
角度も自由に変えられるので、足元をしっかり照らすことができ、本体も19gと軽量のため装着感も気になりません。
4種類にカラーバリエーション(ブラック,ピンク,ブルー,イエロー)があり、防水仕様で雨の日でも使用可能です。
参考価格:940 円(参考価格)
本体重量:19g
明るさ:約20ルクス
電源:コイン型リチウムイオン電池
その他:防滴機能付き
LEDネックライト(パナソニック)
次に紹介するのは首にかけるタイプのライトです。
ウォーキングやトレッキング用のライトのため、ランニングでは若干揺れが気になる方もいると思います。
しかし、手軽に着用できて足元を照らすことができるので、とりあえず困ったら購入するというのはいいのではないかと思います。
首にかけて両手がフリーの状態でランニングに集中することができます。
小雨の中でも使える防滴加工がされています。
本体重量が40gと軽く、連続点灯時間も15時間とランニングに十分な仕様となっています。
参考価格:1,500 円(参考価格)
明るさ:強弱の2段階
連続点灯時間:15時間
電池:パナソニックコイン型リチウムイオン電池
■充電不要なタイプ
これまで紹介してきたタイプ以外の変わり種として、電池交換や充電が不要なライトを紹介します。
電池交換の手間がなくいつでも使うことができるので、充電や電池の交換が面倒という人にはおすすめです。
ミリオンマイルライト
振動エネルギーを電気エネルギーに変換する特殊な素子が本体に内蔵されており、ランニングの振動でライトが光ります。
電池交換や充電が不要なため、メンテナンスフリーでお手軽なところが非常に嬉しいアイテムです。
LEDと比べると明るさは若干劣りますが、それでも最大で30ルーメンの明るさがあり、夜間に相手から認識されるのには十分な明るさです。
足元を照らしたりするのには不向きなので、相手に自分の存在を知らせたいという方におすすめのアイテムです。
参考価格:3,500 円
明るさ:最大30ルーメン
本体重量:50g
電池:充電不要、振動エネルギーで発光、雨の日でも使用可能
<番外編>
■反射キャップ
給水、速乾などの機能のほかに、反射材を使用した帽子なども販売されています。
通常の帽子をこのようなタイプのものに変えるだけで、相手からの視認性が向上するので夜のランニングにはおすすめです。
その他に紫外線対策としても有効なので日焼け防止にも使えたり、アウトドアにもおすすめです。
■反射板
相手からの視認性をより高めて、事故などのトラブルを減らしたいけれど、電池交換などの手間はなくお手軽な対応を探しているという方には反射板がおすすめです。
ただし、ライトに比べると相手からの視認性が劣っていたり、自分自身の視界が良くなって足元が見えやすくなるわけではないので注意が必要です。
<まとめ>
今回は夜間のランニングにおすすめのランニングライトを紹介しました。
ランナーも通行人の方も、お互いが気持ちよくいられるように、夜のランニングではライトを付けて自分の存在を相手に知らせるようにしましょう。
ヘッドライトから手に持つタイプなど、ランニングライトには多くの種類があるので、気になったアイテムがあった方は是非試してみて、安心・安全にランニングを楽しみましょう。
参考文献
[1] ヘッドライトによる走行時の物の見え方について:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jieij1917/50/1/50_1_21/_pdf
[2]自動車用ヘッドランプの視認性:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jieij1980/64/11/64_11_614/_pdf